近年、社会問題化している冠婚葬祭互助会についての基礎知識


 ●互助会システムとは一体何なのでしょうか?

 冠婚葬祭互助会とは会員相互扶助(そうごふじょ)を目的とした金融商品で、昭和47年に経済産業省庁の許認可制となりました。
 高度成長期の追い風もあり、この革新的な集金システムによって、互助会許認可を受けた会社は、積立金を自社自由裁量で使用できることになり、多くの場合、自社式場建設や備品購入などに充て ることができました。これは、一般の金融機関で借入金を利用せざるえない同業他社に比べ、無金利な分、より廉価で儀式の提供ができる (会員受益者還元)、圧倒的に市場競争性の高いシステムを持っていました。

 しかし、この利用者相互扶助、受益者還元制度も近年は崩壊しつつあります。
 多くの企業や個人がこの冠婚葬祭業界に自由参入した現在では価格競争と共に、式施行品質が重視されつつあります。

 互助会特有の企業体質 (実際の葬儀施行比率は既会員が9割ですから、式施行よりも会員獲得重視の体質はから脱却できません)のまま、多くの互助会系業者は本来の儀式提供による信用利益よりも、安易な会員獲得による積立金に依存するという経営体質に陥っています。

 互助会の会員である唯一のメリットであるべき割安なお葬式とは既に数十年前の事になっているのです。


 ●互助会会員の大きな誤解とは?

 まず「30万程度の積立金では一般的な仏式葬儀はできません」。

 これは、社会一般的な認識でもありますが、なぜか互助会の会員になると、この金額で葬儀の大部分をまかなえると勝手に思い込んでしまいます。

 一度は耳にしたことのある「互助会」という言葉。多くの場合「○○互助会」や「○○メンバーズ」など といった名称で募集しているところが殆どです。
 勧誘専門員は「もしもの安心の為、毎月小額の積み立てで安く葬儀ができます」とか「当社互助会は国が認可しているので安心です」と言って執拗に勧誘をしてきます。しかし勧誘員の言う経済産業省認可は、葬儀施行の品質や葬祭費用金額 が妥当かの許可でありません。

 あくまでも「割賦購入法」という分割金の支払い方法で互助会側で決めた架空(契約時点では未利用)の商品を販売してもよいという「商品販売法」に対する許認可なのです。逆をいえば国としても許認可制度を与えなければいけない程、危険な架空商取引が実態の制度なのです。


 ●自分のもしもの時の為に、毎月何年も積み立てをしたお金が、実は棺の費用代にもならなかった。

 積立金は葬儀費用の前払い金でなく、祭壇や棺、骨壷などを事前に月賦購入をしているだけ、ということを多くの会員が認識してはいません し、それを説明する勧誘員も居ません。その結果、 積立をした本人の逝去後には遺族に対し葬祭費全体で積立金の2〜3倍が請求されるよう多くの付加費用が加えられ、精算時のトラブルも多発しています。

 ある大手互助会葬儀社に於いては毎日朝礼時に、般若心経を唱え仏様に仕事がたくさん出る(会員がたくさん亡くなる)ように、職員全員で祈願をしています。こんな会社に、もしもの時の大切な葬儀依頼を安心して任せることができるでしょうか。


 ●本当は恐ろしい互助会システムのからくり

 @積立金だけでは葬儀費用が賄えません
 積立金とは本来、葬儀費用の一部もしくは全額の補填を目的としています。しかし、互助会での葬儀では費用全てを賄えませんので注意が必要です。「いざというときになって 、結局高額な葬儀代になってしまった」という事例は多いのですが、日本人独特の感覚でもある仏事金額の話しは、他人にしないということが皆様が本来知らされるべき大切な情報を遮断しています。
 もちろん、実際の葬儀代(葬祭費)は差額という別会計でなければ、より多くの利益は望めません。このような企業体質では、営業職員に高額の報奨金を支払い買い取った会員は、いかなる理由があろうと解約をさせないことが自社存続の絶対条件となり、解約に応じない互助会は全国で社会問題化しております。

 A積立金には利息はつきません
  このことを知らない方は意外に多いようです。営業職員が入会の際にわざと説明を省いたり、あいまいなままにする場合が往々にしてあります。解約時に初めて気づいたという ケースや、解約手数料として割高な手数料を取られたりと解約トラブルの原因は多岐に渡りますが、多くの場合、互助会勧誘員の定着率は驚くべき低さで、「その勧誘員の○○は辞めました」 という答えでクレームは打ち切られてしまいます。

 多くの互助会は会員獲得専門の営業部員と複雑な個別契約しています。会員勧誘に関わる職員はフリーランス(自由契約完全出来高制)で会員獲得専門の募集代理店を通じ、互助会本体の親会社は全く関知しない個人契約をさせます。

 それならば、どのような営業方法をしようと会員獲得報奨金(自分の給与)になればいいのです。その会員権利を親会社は高額な報奨金を出し買取 ります。なぜなら会員は自社へ潤沢な自由資金(積立金)を毎月入金してくれる上に、将来的に高額な葬儀費用も出してくれる金の卵なのです。

 B積立金の保全は半分だけ
  仮に積立をしていた互助会事業社が倒産時したら前受金(積み立て金)の保証は合計額の半分と決められています。勘違いされる方もいらっしゃいますが、互助会は様々な事業科目の会社が行っている、販売 商品のひとつに過ぎません。もちろん、全国規模でのネットワークなど存在しませんし、大規模な共同体でもありません。 近年、大手と呼ばれる互助会サービス会社の倒産が多く見受けられます。経営内容が一般消費者に公開されていないため、本当に大事なお金を預けても安心な会社なのかどうかは通常、消費者側からは判断出来ません。つまり、ある日突然倒産することも充分ありえるのです。


 C会社の実態が分かりづらい
 現在では肝心の葬儀費用も決してリーズナブルとは言えず、むしろ地域相場より高い場合が殆どです。県内大手互助会では最近、ゴルフ場やホテルを次々と買収しています。殆どの会員の方が、もしもの時の為にと積立しているお金が、こんな買収に流用され て何人の互助会会員が喜ぶのでしょうか。

 特にゴルフ場やホテル等は経済ニュースの倒産事例でもよく見る「不良債権化しやすいリスクの高い物件」です。本来ならば、健全かつ着実な経営をし、会員積立金保護を第一とし て 、冠婚葬祭施行を確実に行うべき会社がこのような行動をする真意とは何なのでしょう。

 冷静に考えると、その会社の経営方針や積立金の投資先に何らかの別の意図が隠されていると想像でき るのではないでしょうか。

 「不良債権化の可能性のある物件を大手互助会に譲渡することで得をする者」とは誰なのか? たとえば、過去にその物件や会社に対し大きな金額の貸出をし 、現在はその資金回収が困難になりつつある金融機関の思惑が見え隠れしています。

 互助会系の企業にしてみれば、買い取った会員とは同業の他社へ行かない(自社施行見込み客)、毎月会社側で自由に使える現金をくれる方々なのです。実際の葬儀では会員の積立金が多い場合には、打合せ時に高価なコースへ移行してしまえば、長年に渡っての積立金は一瞬で消滅させることができます。よって、積立金額の大小が、お客様 側 の支払い負担の大小に比例することはありません。互助会入会用紙に記入し、判を押した時点で、後に残された家族は葬儀代精算に、相場以上の支払いを確約するというレールに乗せられているのです。


 現互助会会員のチェックシート

 @貴方の御両親が既に互助会に入会しているか聞いてみましょう。 もし入会している場合は、いくらの積立てをしているかを確認下さい。既会員の多くは高齢者で、御自身が積立 をした額に若干の金額を家族に負担させるだけで、一般的な葬儀ができると誤解(安心) をしています。

 Aコース積立金以外でいくら追加費用が発生するのかを把握しておきましょう(当たり前ですが入会した当該営業部に聞いても正確な情報は聞くことができません。同じ互助会 葬儀社で葬儀をされた方などから実際にかかった費用を聞くか、地域の同業社から情報を得るのが最良唯一です)。

 B一度、解約の意思を伝えてみましょう(スムーズに解約手続きに進むことはまずありません。多くの場合、解約手続きの引き伸ばしや解約自体の阻止に動きます。この時の 会社の対応を冷静に観察し、今後も信頼をおいて積立を続けるのか決めてもよいでしょう)。

 C最良の自衛手段は、お客様自身が多くの情報収集を行い、地域の同業他社と比較検討をすることです。一般的な葬儀では供物として生花や香典返し用の返礼品、もてなしの食事、移動用のマイクロバス代なども必要です。お花や返礼品が費用に見合った品質であるか、バス利用料金は一般的な運送旅行業者に比べてどうかなど、多方面から比較検討することで多くの不明瞭な部分が出てきます。

  優良葬儀社では付帯費用部分にも良心的な価格設定をしているものです。互助会系企業では、 他社と比較したりして葬儀依頼を逃げることをしないので、弊社を含め通常の良心的葬儀社の考える「 市場競争力のある、良い品質のものを提供し、お客様に喜んで頂き、次回の施行依頼に繋げたい」というよりも 「提供しなければならない約務品は人を含め、品質より多くの利益がとれ、安く使える素人でも平気で選び、花や返礼品などはバックマージンが大きい取引業者を選択」するのが当たり前なのです。


 弊社では地域の皆様へ「冠婚葬祭互助会」解約後も、より安心ある葬儀の受け皿として機能しています。
 また既会員の方々の解約手続きがスムーズに行えるよう、解約マニュアルの無償配布や解約の相談、提携行政書士による解約代行も承っております (依頼手数料別途)。互助会に関係する色々な噂や悪評を聞き、不安なままで生活を送るより、ぜひ一度、弊社の葬儀プロスタッフに相談してみてはいかがでしょうか。

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